面接_日頃の言動が面接に現れる

私が独立して数か月、初めて採用コンサルタントとして、企業の面接官をした時、

「日頃の言動は、面接に現れ評価されるんだ」と実感した話です。

 

その日は朝10時から、1グループ5名程度の集団面接の面接官をしていました。

朝、一番の面接を行った際、

とても緊張して、自分を思うようにアピールできていない学生がいました。

結局、その学生は40分という短い時間で自分をアピールすることが出来ず、面接は終了してしました。

 

面接終了後、人事課の部長と課長と私で、どの学生を次の選考に進めるかを話し合いました。

その時、課長が

「あのとても緊張していた学生は、アピール出来ていなかったので、人物像がわからなかったですね。次には進めないですよね」と言うと

部長が「あの学生は次の選考に進めてください・・・。というか、もう内定を出していいですよ」と言われたのです。

確かに誠実そうな学生でしたが、すべての選考を飛び越えてまで、内定を出すほどの人物かどうかは私にはわからず、

その理由を部長に尋ねると「今朝の出来事」を話してくれました。

 

今朝、部長は会社に出勤するため、8時40分くらいにバスに乗っていました。

あと4つで会社近くのバス停だと思っていた時、

年配の女性の方が大きな荷物を持って、バスに乗ってこられました。

バスの中は通勤客でいっぱいで身動きが取れない状況で、

近くの座っている人は年配の人に気づかなかったり、気づいても席を譲ろうとしなかったそうです。

そんな時後ろのほうから、「おばあさん、こちらの席に座ってください。」と声を書けてきた若者がいました。

しかし年配の方は「いいえ。〇〇病院でおりますので、あとちょっとなので・・・。」と言って断ると、

その若者は間髪入れず

「僕はここでおりますので・・・。」と言って席を譲って、降りて行ったそうです。 

実はその若者と言うのが今日面接に来た学生だったのです。

 

部長は面接でその学生だとすぐに分かったようです。

年配の方のために4つ手前の停留所で降りたこと、

たぶんその後は40分くらい歩いたであろうこと、

面接時間の1時間も前に会社に来ていたことなど

その学生の機転・行動力・思いが伝わり、「この学生を採用したい」と思ったそうです。

 

そして、さらに部長はこんなことも言われていました。

「あの子の言っていることは確かにしどろもどろだったど、

あの子の言っていることに耳を傾け、態度を見ているとわかるよ。

何が言いたいのか、どんな思いがあるのかということが…。

そして嘘偽りがないこともわかる。」

 

独立したばかりの私には衝撃的な出来事でした。

 

面接は本当に短い時間との闘いです。

集団面接においては、自分に与えられた時間は10分もないかもしれません。

しかし普段みんなが考えていること、努力していることは必ず見つけてもらえます。

「たまたま、その会社の人事課の部長に見られていたからであって、見られていなかったとしたら、採用されていないんじゃない」と思う人もいるかもしれません。

しかし見る人が見れば、その人の性格、能力、考え方、日常の言動、努力してきたことなどが、

たった10分程度の面接でもわかるのです。

 

ちなみにオーラとかそんな神秘的なものではなく、

ちょっとした態度や話し方、話の内容で、推測できるのです。

 

日常の言動を見直し、努力してみましょう。

ちなみに私も毎日少しずつ言動を見直し、努力しています。

たまに後退する時もありますが、それでも良いと思います。

 

信念が変われば 思考も変わる
思考が変われば 言葉も変わる
言葉が変われば 行動も変わる
行動が変われば 習慣も変わる
習慣が変われば 人格も変わる
人格が変われば 運命も変わる
by ガンジー